2012年5月31日木曜日



妊娠・出産、排卵、生理という女性にしかない体の営みは、全て骨盤内部で起こることです。
「骨盤のゆがみ」「骨盤の開閉」ということはよく健康法の題材にもなっていますが、それは特に女性にとってかかわりの深い問題です。

とは言っても、骨盤のゆがみを整えれば健康になれるとか、骨盤を閉めれば痩せると一言で言いきれるほど単純ではありません。
ベルト等で強く締めつけたり、手でグイグイと力任せに押したり、中にはハンマーで叩いて骨盤を締めたり左右差を整えるという療法もあるようですが、そうした矯正法自体が自然な骨盤の動きを妨げることも多いのです。

体は外から加えられる不自然な力に抵抗しようとするものですから、逆に身を固くして動きを悪くしてしま� �こともあります。

また、骨盤の動きといっても、実際には骨盤だけが単独で動くのではなく、他の様々な部位と連携しあって行われるものです。
骨盤だけを無理に整えようとしてもバランスが取れません。

例えば、生理の前には、首や後頭部が緊張してきます。
甲状腺の働きに伴うものですが、生理の前になると首が凝ったり、頭が痛くなったりする人がいるのもそのためです。
生理前のイライラ(PMS〜月経前症候群〜)なども特にこの頃に起こりますが、それらは普段から首が固い人に多いようです。

甲状腺に特別な異常がある場合は更に深刻ですが、いずれにしても普段から首の動きをよくしておくこと、特に生理前のイライラや首コリが起こったときは、首の真ん中辺り(頸椎の脇、左右差があれば固い側)を自家製温湿布で温めておくと緩和する傾向があります。ぜひお試しください。

やがて胸(後ろ側では肩胛骨)が張ってきて、肩こりを感じる人もいます。
そして間もなく生理が始まります。

2012年5月18日金曜日


バーグドール MS、クラス BA、ライザー RFほか著。「An enterotoxin-like protein in Staphylococcus aureus strains from patients with toxic shock syndrome(トキシックショック症候群患者から検出した黄色ブドウ球菌エンテロトキシン様蛋白)」、1982年;Ann Intern Med 96(第2部):969-71ページ。

チェスニー PJ、 バーグドール MS著。「Toxic Shock Syndrome(トキシックショック症候群)」、ボカ・ラトン:CRCプレス、1991年

2012年5月16日水曜日


2012/3/11 あれは本物だったのか?

去年の3月11日、僕はデジカメで2枚の写真を撮った。

一枚は午前11時05分、まだ出勤前で自宅の部屋の窓辺で咲いたヒヤシンスの花を撮っている。

二枚目は出勤して4時間半ほど経った夕方5時40分、局のフロアで撮った写真。

モニターは全局 L字画面で日本地図の沿岸部に大津波警報を示す赤い部分が点滅したままだ。

ちょうど3時間ほど前に起きた地震の映像や、家や車を飲み込む津波をとらえた空撮や、

白煙を上げる原子力発電所や、防災服に身を包んだ内閣官房長官の姿が映しだされている。

画面を呆然と見つめる手前の二人はたまたま出張に来ていた仙台の系列局のディレクターだ。

明石球場での楽天・ロッテのオープン戦の取材中に地震が起きた。

試合は8回ウラで中止となり、彼らは楽天の選手や監督の反応を取材して局へ戻ってきた。

彼らの局は仙台の宮城野区にあり、すぐそこまで海が迫っていた。

ここに写っていないカメラマンの家は若林区にあり自宅近くの橋が津波に飲まれるのを見た。

ニュースデスクだった僕は楽天ナインのコメントを取るべく宿舎にカメラクルーを出した。

その日は夜まであっという間に時間が過ぎていった。

この日から数ヶ月は関西に住む僕のような人間にとっても怒濤のような日々だった。

朝考えたことが、昼に入った情報で覆り、夕べに心沈み、夜にまた再び熱く興奮する。

Twitterには安否を尋ねる切迫したツイートが知らない人たちによってリツイートされ拡散していった。

2012年5月15日火曜日


Yoga is fast becoming one of the highest risk recreational activities of modern people—and part of the reason for that lies within the very word recreational, because yoga is not, actually, a form of recreation, but rather a re-Union with the self and the spiritual realm in which the body is the vehicle of consciousness itself. If yoga was first and foremost understood as such, some 80% of those injuries would vanish, simply because of the reverent quality of attention of the practitioner.
The common occurrence of yoga related injury is a rather terrible irony, considering that many people come to yoga in order to heal themselves from traumatic acute injuries, chronic conditions or illnesses, or just everyday aches and pains. The statistics referencing the amount of injuries attributed to yoga are alarming, and there are some studies which show that yoga has even overtaken such contact sports as hockey and basketball as the most common cause of incidental injuries. The reasons for this are many, and far too layered—demographic, cultural, and historical—to go into here.
Suffice it to say that within the practice of MogaDao Yoga there are numerous considerations and adjustments which are designed to protect students from injury in asana, and some of these adjustments alter the way in which asana is fundamentally performed. Beginning from the head and moving downward, here are some of those basic alterations and considerations regarding the body in MogaDao Yoga:

The neck.
With the exception of the wrists, the neck is the most injured area of the body in yoga. In  MogaDao Yoga, there is absolutely no loading of weight upon the cervical spine. Headstands, for example, are not performed at all. (The headstand is probably the most abused asana in all of yoga, as students are sometimes encouraged to perform this pose when they are at the barest beginnings of their yoga practice).

2012年5月13日日曜日


 一日そんな状態でイライラし通し。これが夜になると気持ちの落ち込みが激しくなって、いてもたってもいられなくなった。脳みそが破裂するんじゃなかろうかと想像してしまうくらい。それでもなんとか普段通りに過ごして、翌日の日曜日を迎える。更に落ち込みは激しく、イライラは極限状態なんだけど、どうしても出かけなければならない用事があった。

 外に出ても気持ちは晴れない。人の話が一時的に聞こえなくなるかと思ったら、やけに大きく聞こえたりする。誰とも口をききたくない。会話は上の空で、自分ってこんなに依怙地だっけと更に落ち込む。当然楽しくない。すべてが気に障る、突然、叫びだしたくなる。そんな苦痛の外出から帰宅して、夜、とうとう動くことができなくなってしまった。

2012年5月12日土曜日


The best treatment for acne scars is the aggressive and effective treatment of the inflammatory acne that causes the damage that leads to scarring in the first place. However, once that damage has been done, there are still a number of treatment options to help improve the appearance of the skin. Unfortunately most of those treatments are more invasive and expensive than simple oral and topical medications. Despite this, there are a handful of medications that can be helpful in improving the condition of acne scarred skin.

Topical Retinoids

 

Tretinoin (Retin-A) Cream is a Popular Topical Retinoid

2012年5月10日木曜日


シリーズ、第3回目の今日は、予告どおり、

気分障害(Mood Disorder)について、取り上げたいと思います★

気分障害は大きく、2つに分かれます。

★単極性障害(Monopolar Disorder)

★双極性障害(Bipolar Disorder)

単極性・・・鬱(Depression)のみを繰り返す状態を指します。

「うつ病(Major depression)」のことです。

<症状>

抑うつ気分や、興味関心の低下、喜びの喪失、

       理由もなく悲観したり、意欲の低下が見られます。

       うつ病の思考異状には、微小妄想(Delusion of belittlement)があります。

       微小妄想とは、自分を過小評価する妄想で、以下の事を指します。

        ☆心気妄想(Hypochondriac delusion)

          「不治の病に罹ってる、癌で助からない」などと思い込んでしまう状態

        ☆罪業妄想(Delusion of sin and guilt)

「取り返しのつかない罪を犯した」と考えたり、

          「自分が生きていると、みんなの迷惑になってしまう」などと考えてしまう状態

        

        ☆貧困妄想(Delusion of poverty)

          「お金がなくて入院費が払えない」と考えたり、

          「自分は貧乏だから、将来、飢え死にしてしまう」などと考えてしまう状態

<治療>

      自殺企図がある場合は入院となります。

   ★抗うつ薬(Antidepressant)

   ☆SSRIs(選択的セロトニン再取り込み阻害薬): 

    神経伝達物質である、セロトニンが再取り込みされるのを阻害し、シナプス内に残留することによって、

2012年5月9日水曜日


断食(だんじき、fasting)とは、一定期間食事を意図的に絶つ行為のこと。

断食では食事は断つものの水だけは飲む場合もある。食糧を摂らないことを「絶食」(ぜっしょく)または「不食」(ふしょく)とも言う。 以下のように、様々なことを目的とした断食がある。

一定期間(一般に48時間から72時間)絶食すると体は食糧の供給が停止したと判断して体内に蓄積していた栄養を消費する能力をもっている。この体内に蓄積した栄養が続く範囲なら、食事を摂取しなくても生命を維持できる。

[編集] 断食(絶食)の物理的な効果

食べ物を摂らない場合、人間の体はエネルギーを取得する方法を探すようにできている。グリコーゲンや脂肪に蓄えられた脂肪酸、さらには蛋白質の組織からブドウ糖を引き出す。

体や脳、神経組織は新陳代謝のためにブドウ糖が必要である。まず一日二日断食すると、筋肉からグルコースが生成されるようになる。さらに断食を続けると代謝が変わり、脂肪から脂肪酸をつくりそれがエネルギー源となる。筋肉や心臓、肝臓は脂肪酸を直接エネルギー源とすることができる。このことで筋肉の減少ペースが落ちる。しかし脳は脂肪酸を栄養とすることができないので、断食して三日ほどたつと肝臓において脂肪酸などを分解してケトン体(アセトン他)が生成されるようになる。それによって脳やその他の臓器はグルコースではなくケトン体を主要なエネルギー源とするようになる。

当然だが、脂肪や蛋白質を分解しつくせば死に至る。運動状態や外的状態にも大きく変化するが、適温状態で安静にして水分を適切に摂取した場合、餓死するには一ヶ月以上要する。ただし、水分、塩分の補給のない場合、筋肉が痙攣を起こし易く、心臓など循環系臓器にそれを起こした場合は、この限りではない。つまり、水分、塩分の補給さえあれば、平均体重の者の場合、理論的に一ヶ月は断食を行うことができる。仮に、体重70kg、体脂肪率20%とし、脂肪のカロリーを9kcal/g、低下した基礎代謝を1200kcal/日とすると、70 kg x 0.2(体脂肪率)x 9 kcal/g / 1200 kcal/日 = 105日、となり3ヶ月半ほど生存することができる。

[編集] 起き得るデメリット

  • エネルギーの供給を絶つことにより、エネルギー不足と身体が判断し、身体の組織が破壊される。脂肪だけでなく筋肉、骨、毛髪なども、その対象になる。但し短期の断食のおいてはこれが解毒効果をもたらす場合がある[要出典]。実際、上記のいずれの宗教的断食もそれが元で死に至ることはほとんどない。
  • 断食をすることでエネルギー不足になり、身体がエネルギーをため込もうとする。その結果、リバウンドがおきる(#断食(絶食)ダイエット参照)。
  • 3食をバランスよく食べたほうが、身体によいとの意見は近代栄養学に多い。

[編集] 医療手段としての断食(絶食)

断食は多くの現代病に効果があるという主張がある。その論拠としては、人間の体は、消化吸収することがない状態に入ると、自然に体にたまった毒素を排泄する作用、デトックス効果があるということである。例として、カネミ油症事件における油症患者のダイオキシン類の排泄量が増え、症状が軽減することが観察されている[4]

2012年5月8日火曜日


<説明>
現在のPDFドキュメント内で指定された頁の後に、別のPDFドキュメントを指定ページ数分だけ挿入する。

<形式>
VARIANT_BOOL InsertPages(long nInsertPageAfter,
      LPDISPATCH iPDDocSource,
      long nStartPage,
      long nNumPages,
      long bBookmarks);

<引数> 

2012年5月6日日曜日


はじめに

 行動療法・認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)という名前はこの数年,よく耳にするようになりました。行動療法という名前の方が古いのですが,認知行動療法という名前の方が今では広く使われるようになりました。この章では認知行動療法の名前を使うことにします。
世界レベルでは認知行動療法は精神療法のトップの地位を占めるようになりました。一流の医学雑誌や欧米の政府機関が刊行する治療ガイドラインでは認知行動療法が必ず取り上げられています。
  一方,日本では認知行動療法は一般の方にも専門家の方にもまだなじみの薄い治療法です。1980年からの日本語の新刊書のタイトルを検索してみると(
  行動療法の適用範囲は本来とても広いのですが,この章では社会恐怖に関連したところに限って述べます。そして,社会恐怖の治療についての最新の情報はどのようにしたら得られるか,について最後に解説することにします。

認知行動療法とは

 1950年代にジョセフ・ウォルピやハンス・アイゼンク,バラス・スキナーらによる実験心理学・学習理論を精神障害に応用する試みがこの治療法の始まりでした。この頃は脱感作療法や条件付け療法,行動変容などと呼ばれていました。1958年にアイゼンクが行動療法という名前を用い,それからこの治療法が一つのものとして認められるようになりました。60年代にアルバート・バンデューラの社会学習理論が取り込まれました。70年代から臨床の目的に合わせて複数の技法を組み合わせた治療パッケージが作られるようになりました。その一つにアーロン・ベックの認知療法があります。この頃から行動療法は認知行動療法と呼ばれることが多くなりました。
  認知行動療法には単独の創始者はありません。何人もの研究者が競って精神や行動に関する研究方法や理論を編み出し,それらが臨床に導入され,さらに理論が生まれ,技法がつくられ,それらが修正されたり組み合わされたりしてできてきたものです。その共通の基盤は,見たり聞いたりして確かめることのできる心の活動,すなわち行動を対象にして,事実を系統的に時間をかけて集め,測定し,仮説をたててそれを検証していくという研究開発の方法自体にあります。したがって,いつまでも未完成のものであり常に変化しています。行動療法とはなにかという定義すら1958年の最初のものは現代にはあてはまりません。神経症に対する治療として始まった行動療法ですが,現在の適応は体の病気にまで広がってきています。

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社会恐怖に用いられる認知行動療法の技術

 認知行動療法は患者さんの問題の原因を探るよりも,解決しやすいところから問題に取り掛かっていこうという姿勢を持っています。患者さんの問題の中で変えやすいところ,変えることが他の問題の解決に結びつきやすいところを見つけ出し,それを扱いやすい形に捉えていきます。そうしたことを可能にする具体的な技術を持っています。患者さんはいくつも問題を重ねて抱えていることが普通なのですが,それぞれの問題に応じて技術が用いられます。社会恐怖の方の代表的な問題には,対人場面での不安症状や対人場面を避けること,対人場面での振舞い方がまずい事,自己評価が他人の態度によって悪くなりやすいこと,などがあります。これらそれぞれに応じて認知行動療法の技法が用いられます。不安症状に対す る治療で必ず含まれる方法がエクスポージャーです。他に社会技術訓練(ソーシャルスキルトレーニング,SST)や不安対処訓練,認知修正法もよく用いられる技術です。図 1で治療の流れ図を示しました。

図1 治療の流れ図

2012年5月5日土曜日


 妊娠によるホルモンの上昇はまだ続いています。つわり、吐き気、動悸、便秘などの症状はまだしばらく続きますが、この月の終わりまでにはおさまってくるでしょう。

骨盤周辺の不快感

2012年5月3日木曜日


体のにきびは皮脂の分泌が原因となる場合もありますが、ストレスや睡眠不足、疲労などが原因の場合も多いです。
そのため、ホルモンの変化により皮脂の分泌過剰がにきびの原因となる思春期よりも、大人の方が体ニキビは出やすいようです。

首のニキビ

首のニキビは思春期では少なく、大人に多くみられます。
首ニキビの主な原因はホルモンバランスやストレス、洗い残しなどがあります。
女性の場合、首にも化粧品や日焼け止めを付ける人がいますが、クレンジングを使用しないとしっかり落ちずに残ってしまい、ニキビの原因となってしまう場合があります。

2012年5月1日火曜日


概要

長年の間、研究者たちは、がん生存者における回避性行動、侵入的想起および覚醒亢進などのストレスまたは心的外傷関連症状を報告している。 [1] [2] [3] [4] これらの症状は、戦闘、個人的な暴行(例えば、レイプ)、自然災害をはじめとする生命への脅威など心的外傷イベントを経験している人にみられる症状に似ており、これを集合的に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と呼ぶ。 [5] [6] [7] [8] [9] [10] 急性ストレス障害(ASD)はPTSDと似たプロフィールを有する精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)の精神障害であるが、発症までの期間が心的外傷イベントの4週間以内と短い。そのため、がん患者におけるPTSDおよび心的外傷関連症状の発生は、DSM、第4版(DSM-IV)のPTSDに対する診断基準が変更されたことを受けて次第に研究されるようになっている。 [5] DSMの改訂第3版(DSM-III-R) [11] では特に、がんなど内科的疾患の患者はPTSDから除外された。しかしながら、DSM-IVの本文修正(DSM-IV-TR)においてPTSDの診断基準では特に、心的外傷イベントの一例として「生命を脅かす疾患を診断されること」を包含している。 [12] そのため、現在ではがん病歴がある人々は、PTSDのリスクがあるものとして評価され、考慮される。

レビューは、心的外傷後ストレスが黒色腫、ホジキンリンパ腫、乳がん、および複数種類のがんの混合など、様々ながんで研究されていることに注目している。しかしながら、完全なPTSDの症候群(すなわち、DSM-IVの診断基準をすべて満たす)について患者を評価したのか、またはPTSD関連症状の一部のみ(例えば、Impact of Events Scale[IES]を用いて測定する侵入的想起)について評価を実施したのかについては、研究は様々である。したがって、発生率も様々である。PTSDの完全な症候群(DSM-IVの診断基準をすべて満たす)の発生率は、最近診断された早期患者における3%~4%から治療後に評価された患者における35%までの範囲に及ぶ。PTSD様症状(診断基準のすべては満たしていない)の発生率が測定される場合、その割合はより高く、早期がん患者における20%から再発がん患者における80%の範囲に及ぶ。

ドイツの1件の研究において、乳がん患者(n = 127)が手術直後および最初の評価から6ヵ月後のPTSDについて評価された。 [13] 評価には、IES-Revised(IES-R)およびPTSD Checklist-Civilian(PCL-C)などのASDおよびPTSDに対するスクリーニングツールが含められた。最初の評価では、DSM適用の構造化臨床面接(SCID)を用いた半構造化面接も含められた。SCIDによれば、参加者の2.4%が軽度から中等度のがん関連PTSDの基準を満たし、2.4%がASDと診断された。しかしながら、IES-RおよびPCL-Cのスクリーニングツールでは、最初の評価時に参加者の18.5%にPTSDが確認され、2回目の評価では参加者の11.2%~16.3%にPTSDが確認された。この研究の著者らは、SCIDと異なり、IES-RおよびPCL-Cのスクリーニングツールは、広汎性の情動的苦痛および適応障害を測定し、正確なPTSD症状を測定していないと提唱しているようである。PCL-Cなど症状に基づく測定と実際のSCIDに基づく診断との主な差の1つは、症状によって引き起こされる機能障� �である。症状はよくみられるが、そうした症状によって障害を抱えるのは症状のある人の非常に少数のみである。

どの患者がPTSDの発生リスクが高いかを示唆する因子は広範囲に研究されていない;しかしながら、早期乳がん女性の1件の研究 [14] により、より若い年齢、低所得、公的教育年数の少なさはPTSD様症状と関連することが明らかにされた。骨髄移植で治療された男女の別の研究 [15] により、不十分な社会的支援および回避的対処の使用はより多くのPTSD様症状と明らかに相関することが分かった。PTSDおよびASDについて乳がん患者を評価した上述のドイツの研究 [13] により、生涯PTSDを有する患者(8.7%)はがん関連ASDまたはPTSDを経験する可能性がはるかに高い(オッズ比14.1)と結論づけられた。

がん状況におけるPTSDのために開発された特異的療法はないが、他のPTSD患者に用いられる治療法は、がん患者とがん生存者の苦痛を軽減するのに有用である可能性がある。

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。


参考文献
  1. Kornblith AB, Anderson J, Cella DF, et al.: Quality of life assessment of Hodgkin's disease survivors: a model for cooperative clinical trials. Oncology (Huntingt) 4 (5): 93-101; discussion 104, 1990.[PUBMED Abstract]

  2. Alter CL, Pelcovitz D, Axelrod A, et al.: Identification of PTSD in cancer survivors. Psychosomatics 37 (2): 137-43, 1996 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

  3. Kornblith AB, Anderson J, Cella DF, et al.: Hodgkin disease survivors at increased risk for problems in psychosocial adaptation. The Cancer and Leukemia Group B. Cancer 70 (8): 2214-24, 1992.[PUBMED Abstract]

  4. Koocher G, O'Malley J: The Damocles Syndrome: Psychosocial Consequences of Surviving Childhood Cancer. New York: McGraw-Hill, 1981.[PUBMED Abstract]

  5. American Psychiatric Association.: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: DSM-IV. 4th ed. Washington, DC: American Psychiatric Association, 1994.[PUBMED Abstract]

  6. Solomon Z, Garb R, Bleich A, et al.: Reactivation of combat-related posttraumatic stress disorder. Am J Psychiatry 144 (1): 51-5, 1987.[PUBMED Abstract]

  7. Baider L, Sarell M: Coping with cancer among holocaust survivors in Israel: an exploratory study. J Human Stress 10 (3): 121-7, 1984 Fall.[PUBMED Abstract]

  8. Perry S, Difede J, Musngi G, et al.: Predictors of posttraumatic stress disorder after burn injury. Am J Psychiatry 149 (7): 931-5, 1992.[PUBMED Abstract]

  9. Green BL, Lindy JD, Grace MC, et al.: Chronic posttraumatic stress disorder and diagnostic comorbidity in a disaster sample. J Nerv Ment Dis 180 (12): 760-6, 1992.[PUBMED Abstract]

  10. Rundell JR, Ursano RJ, Holloway HC, et al.: Psychiatric responses to trauma. Hosp Community Psychiatry 40 (1): 68-74, 1989.[PUBMED Abstract]

  11. American Psychiatric Association.: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: DSM-III-R. 3rd rev. ed. Washington, DC: American Psychiatric Association, 1987.[PUBMED Abstract]

  12. American Psychiatric Association.: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: DSM-IV-TR. 4th rev. ed. Washington, DC: American Psychiatric Association, 2000.[PUBMED Abstract]

  13. Mehnert A, Koch U: Prevalence of acute and post-traumatic stress disorder and comorbid mental disorders in breast cancer patients during primary cancer care: a prospective study. Psychooncology 16 (3): 181-8, 2007.[PUBMED Abstract]

  14. Cordova MJ, Andrykowski MA, Kenady DE, et al.: Frequency and correlates of posttraumatic-stress-disorder-like symptoms after treatment for breast cancer. J Consult Clin Psychol 63 (6): 981-6, 1995.[PUBMED Abstract]

  15. Jacobsen PB, Sadler IJ, Booth-Jones M, et al.: Predictors of posttraumatic stress disorder symptomatology following bone marrow transplantation for cancer. J Consult Clin Psychol 70 (1): 235-40, 2002.[PUBMED Abstract]

有病率

文献のレビュー [1] は、心的外傷後ストレスが黒色腫、ホジキンリンパ腫、乳がん、および複数種類のがんの混合など、様々ながんで研究されていることに注目している。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の完全な症候群(精神障害の診断と統計マニュアル、第4版[DSM-IV]の診断基準をすべて満たす)の発生率は、最近診断された早期患者における3%~4%から治療後に評価された患者における35%までの範囲に及ぶ。PTSD様症状(診断基準のすべては満たしていない)の発生率が測定される場合、その割合はより高く、早期がん患者における20%から再発がん患者における80%の範囲に及ぶ。

がん生存者におけるPTSDの最も初期の研究(DSM-IV以前の研究)では、治療を受けていたか、受けているがん患者、成人および小児がん生存者、および/または患者と生存者の家族も対象に、この障害の有病率および特性に焦点が当てられた。白血病 [2] 、乳がん、および頭頸部がん [3] を含む様々ながん種が研究された。初期の研究の多くはホジキン病の生存者を扱ったが、これはおそらく診断年齢の低さおよび生存のより高い割合によって、研究のために利用できる集団がより大きかったためである。 [4] これらの生存者は、治療後何年も経過しているにもかかわらず、侵入的想起および回避行動の有病率が特に高いことが明らかにされた。 [5] [6] [7] これらの研究のほとんどでは、すべての診断基準を満たしている完全な精神障害よりむしろPTSD様症状が調査された。

現在のDSM-IV診断基準を使用したがん患者の最初の研究では、全員が診断後3年以上経過しており既にがん治療を受けていない27人の患者(ほとんどは乳がん)が調査された。この研究では、現在のPTSDの有病率は4%、生涯の有病率は22%であると明らかにされた。 [8] 生涯有病率の基準を満たした人は、全般性精神的苦痛のレベルが高いことが認められ、したがってPTSDの病歴があると持続性情動困難の重大なリスクがあることが示唆された。

DSM適用の構造化臨床面接(SCID)を用いた研究 [9] により、成人がん患者におけるPTSDの有病率は3~10%であることが明らかになっている。これらの研究のほとんどは、治療後数ヵ月から数年経過して評価された早期乳がん女性を調査している。同様に、がん総合施設で治療を受けているすべての病期の乳がん患者115人を対象とした1件のプロスペクティブ研究では、4%がPTSDの診断基準をすべて満たし;41%がPTSDの亜症候診断基準を満たした(強い不安、無力感、または恐怖をがん診断後に経験)。この亜症候診断基準はPTSDのあまりよい指標ではないが(12%)、同時に、大うつ病、包括的な不安障害、および既往の大うつ病に関する有益な判断基準であり、苦痛の増加に対するマーカーとしてはさらに役立つであろう。 [10] 骨髄移植患者の少数の研究では、わずかに高い有病率が報告されており、その範囲は5% [11] から、12~19% [12] 、さらには35% [13] までに及ぶ。有病率の範囲は、評価の時期(移植からの経過時間が長いとより高い割合となる)および使用される評価方法により影響を受けるようである。より低い割合を報告した研究では一般的に自己申告式の質問票 [14] が使用されたのに対して、より高い割合を報告した研究 [13] は、SCIDを用いて診断から複数の時期で症状を評価していた(すなわち、生涯有病率)。

こうしたツールの差を示すものとして、ドイツの研究では、乳がん患者(n = 127)が手術直後および最初の評価から6ヵ月後のPTSDについて評価された。 [15] 評価には、Impact of Event Scale-Revised(IES-R:イベントの影響を測定するスケール-改訂版)およびPTSD Checklist-Civilian(PCL-C:PTSDチェックリスト-一般人バージョン)などの急性ストレス障害(ASD)およびPTSDに対するスクリーニングツールが含められた。最初の評価では、SCIDを用いた半構造化面接も含められた。SCIDによれば、参加者の2.4%が軽度から中等度のがん関連PTSDの基準を満たし、2.4%がASDと診断された。しかしながら、IES-RおよびPCL-Cのスクリーニングツールでは、最初の評価時に参加者の18.5%にPTSDが確認され、2回目の評価では参加者の11.2%~16.3%にPTSDが確認された。この研究の著者らは、SCIDと異なり、IES-RおよびPCL-Cのスクリーニングツールは、広汎性の情動的苦痛および適応障害を測定し、正確なPTSD症状を測定していないと提唱しているようである。PCL-Cなど症状に基づく測定と実際のSCIDに基づく診断との主な差の1つは、症状 によって引き起こされる機能障害である。症状はよくみられるが、そうした症状によって障害を抱えるのは症状のある人の非常に少数のみである。